27日に低気圧が日本の東へ進んで発達し、一時的に強い冬型の気圧配置になるとともに日本付近へ寒気が流れ込んできました。つくばにおける高層観測の結果を見ると、高さ1500m付近(850hPa面)の気温は、27日09時の+5.7℃から28日09時には-5.1℃まで下がり、強い寒気が流れ込んできたことを示しています。
28日になると移動性高気圧が東シナ海へ進んできて、東日本から西日本では冬型の気圧配置が緩み、北西の季節風は弱まってきました。関東地方では、晴れて放射冷却が強まったことから、内陸部を中心に今季一番の冷え込みとなった所が多くなりました。28日の関東地方各地の最低気温は、栃木県奥日光で-8.2℃、群馬県田代で-8.0℃、栃木県土呂部で-7.1℃など、86地点の内48地点で最低気温が0℃未満となりました。また、茨城県内の最低気温は、大子で-4.1℃、笠間と常陸大宮市上小瀬で-4.0℃を記録するなど、14観測地点の内、鹿嶋と古河を除く12地点で最低気温が0℃未満となりました。また、北茨城と大子を除いて今季の最低気温となりました。
日立市役所における気温の推移をみると、27日11時5分に最高気温14.2℃を記録した後、北西の風が強まるとともに14時頃から気温が下がり始めました。21時頃から北西の風が弱まると、22時過ぎから一段と気温が下がり、23時33分にはこの日の最低気温を0.9℃記録しました。その後、28日の朝にかけて気温は0℃前後で推移し、05時11分には最低気温-0.8℃を記録しました。これは、日立市役所における今季初めての冬日(日最低気温0℃未満の日)で、昨年(2018年)よりも18日遅く、平年(12月14日)よりも14日遅くなっています。
市内の他の地点も、全地点で最低気温が0℃未満となりました。また、北部消防署と南部支所を除いて今季最も低い気温となりました。本山と西部支所では最低気温が-3.9℃まで下がり、日立市内で最も低い気温となりました。これは、茨城県内のアメダス観測地点と比較しても、大子、常陸大宮市上小瀬、笠間に次いで低い気温でした。
●今年の秋に入ってからの最低気温(℃)の記録 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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※今年の8月1日以降、12月31日現在の最低気温の低い方からの記録。
●参考:つくばにおける高層観測の気温(℃)
高さ(気圧) | 26日 09時 |
26日 21時 |
27日 09時 |
27日 21時 |
28日 09時 |
28日 21時 |
29日 09時 |
29日 21時 |
30日 09時 |
5500m(500hPa) | -19.9 | -18.9 | -21.8 | -24.2 | -23.7 | -23.6 | -20.4 | -17.9 | -20.3 |
1500m(850hPa) | 3.4 | 2.4 | 5.7 | -4.9 | -5.1 | -3.5 | -3.0 | -2.0 | 0.9 |
●12月27日から28日にかけての気温の推移(10分値)
●12月27日から28日にかけての風速と風向の推移(日立市役所:10分値)
●参考:12月28日07時のアメダスによる気温と風の分布
●参考:12月28日09時の地上天気図と850hPa面高層天気図
Amagai Daizo