今年の秋は日本の南東海上で太平洋高気圧の勢力が強く、南から暖かい空気が入りやすかったことから、気温が平年を上回る日が多くなりました。このため、11月に入っても冷え込みの強まることがありませんでした。しかし、20日に上層の気圧の谷が日本付近を通過した後、下層へ寒気が入ってきました。つくばにおける高層観測の結果を見ると、高さ1500m付近(850hPa面)の気温は、19日09時の8.5℃から20日09時には-0.8℃まで下がりました。そして、21日の朝は移動性高気圧が本州付近を緩やかにおおい、風が弱まって放射冷却が起こったことから、関東地方では内陸部を中心に冷え込みが強まりました。
21日の関東地方各地の最低気温は、栃木県土呂部で-4.1℃、奥日光と群馬県田代で-3.3℃など、86地点中27地点で最低気温が0℃未満となりました。茨城県内でも、最低気温が大子で-2.2℃、常陸大宮市上小瀬で-1.6℃、笠間で-1.0℃を記録するなど、茨城県内14観測所の内、5地点で最低気温が0℃未満となりました。
日立市役所における気温の推移をみると、北西の季節風が弱まった20日15時過ぎから気温の下がり方が大きくなり、21時には気温が5℃を下回るようになりました。その後、気温は横ばいで推移しましたが、21時の日の出前後に一時的に気温が下がり、06時12分に最低気温3.5℃を記録しました。これは、今季最も低い気温です。
市内の他の地点でも、同じような気温の変化をしました。ただ、山間部の本山と西部支所では夜に入っても気温が下がり続け、21日の明け方には気温が0℃未満となり、日立市内で今季初めての冬日となりました。本山における冬日初日は昨年(2018年)よりも18日早く、西部支所における冬日初日も昨年よりも11日早くなっています。
●今年の秋に入ってからの最低気温(℃)の記録 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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●2018年と2017年の冬日初日
地点 | 2018年 | 2017年 | ||||
月日 | 時刻 | 最低気温 | 月日 | 時刻 | 最低気温 | |
日立市役所 | 12月10日 | 06:57 | -0.3 | 12月18日 | 06:39 | -1.1 |
十王交流センター | 12月10日 | 06:59 | -2.0 | 12月09日 | 05:41 | -0.4 |
北部消防署 | 12月10日 | 07:18 | -0.9 | 12月09日 | 07:33 | -0.9 |
本山 | 12月09日 | 22:35 | -2.4 | 11月17日 | 05:35 | -0.8 |
西部支所 | 12月02日 | 06:55 | -0.3 | 11月10日 | 06:13 | -0.1 |
諏訪広場 | 12月11日 | 00:31 | -0.3 | 11月20日 | 06:09 | -1.1 |
南部支所 | 12月10日 | 07:39 | -1.7 | 11月20日 | 06:59 | -0.2 |
日立会瀬 | 12月10日 | 06:49 | -0.1 | 12月09日 | 06:40 | -0.3 |
水戸(金町) | 12月09日 | 24:00 | -0.8 | 11月20日 | 06:37 | -0.2 |
●参考:つくばにおける高層観測の気温(℃)
高さ(気圧) | 18日 09時 |
18日 21時 |
19日 09時 |
19日 21時 |
20日 09時 |
20日 21時 |
21日 09時 |
21日 21時 |
22日 09時 |
5500m(500hPa) | -12.0 | -11.9 | -11.8 | -13.8 | -17.5 | -20.9 | -19.9 | -16.8 | -17.0 |
1500m(850hPa) | 7.7 | 12.4 | 8.5 | 3.9 | -0.8 | -0.5 | -0.4 | 0.8 | 4.4 |
●11月20日から21日にかけての気温と風速の推移(10分値)
●11月20日から21日にかけての日立市内の気温の推移(10分値)
●参考:11月21日09時の地上天気図と850hPa面高層天気図
Amagai Daizo