今年の秋は、上層の偏西風が平年に比べて北側を流れ、南から周期的に暖気が入って気温が平年を上回る日が多くなりました。このため、最低気温が下がりにくくなり、なかなか冬日となる日が現れませんでした。しかし、28日に上層の気圧の谷が日本付近を通過した後、偏西風が南下してきて寒気が入ってきました。つくばにおける高層観測の結果を見ると、高さ1500m付近(850hPa面)の気温は、28日21時の7.4℃から30日09時には0.0℃まで下がりました。ただ、29日から30日は冬型の気圧配置となって北から西寄りの風がやや強く吹いたため、朝の気温はあまり下がりませんでした。その後、12月1日に気圧の谷が北日本を通過した後、2日の朝には大陸の高気圧が移動性となって東北地方へ進んできました。このため、2日の朝は晴れて風が弱まり、気温が下がりました。
関東地方では、茨城県から栃木県、群馬県で放射冷却が強まり、今季の最低気温を記録したところが多くなりました。2日の関東地方各地の最低気温は、栃木県土呂部で-6.0℃、群馬県沼田で-5.2℃、田代で-4.8℃などでした。茨城県内でも、最低気温が大子で-1.1℃、常陸大宮市上小瀬で-0.2℃を記録するなど、茨城県内14観測所の内、土浦と鹿嶋を除く12地点で、最低気温が5℃未満となりました。また、笠間と水戸及び古河では今季の最低気温となりました。
日立市役所における気温の推移をみると、北西の季節風が収まった1日22時過ぎから一段と気温が下がり、2日06時32分には最低気温3.9℃を記録しました。これは、11月23日朝に記録した最低気温3.4℃に次いで今季2番目に低い気温です。
市内の他の地点でも同じような気温の変化をし、本山と西部支所及び諏訪広場では今季の最低気温を記録しました。特に、山間部の本山と西部支所では3時から7時過ぎにかけて一段と気温が下がり、西部支所では06時55分に最低気温-0.3℃を記録して今季初めての冬日となりました。西部支所における冬日初日は昨年(2017年)よりも22日遅く、2014年以降では最も遅い記録となっています。
●今年の秋に入ってからの最低気温(℃)の記録 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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●2017年と2016年の冬日初日 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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2016年冬日初日
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●参考:つくばにおける高層観測の気温(℃)
高さ(気圧) | 28日 09時 |
28日 21時 |
29日 09時 |
29日 21時 |
30日 09時 |
30日 21時 |
01日 09時 |
01日 21時 |
02日 09時 |
02日 21時 |
03日 09時 |
5500m(500hPa) | -13.9 | -14.7 | -16.1 | -19.6 | -22.6 | -21.7 | -19.4 | -21.2 | -22.5 | -17.3 | -17.3 |
1500m(850hPa) | 8.1 | 7.4 | 1.9 | 1.4 | 0.0 | 0.8 | 2.6 | 3.2 | 2.3 | 5.0 | 7.6 |
●12月1日から2日にかけての気温と風速の推移(10分値)
●12月1日から2日にかけての日立市内の気温の推移(10分値)
●参考:12月2日09時の地上天気図と850hPa面高層天気図
Amagai Daizo