14日に上層の気圧の谷が日本の東へ抜けた後、本州付近は南から高気圧におおわれるようになりました。さらに、15日の午後からは下層へ暖気が入ってきたため、16日には全国的に気温が上がりました。つくばにおける高層観測の結果を見ると、高さ1500m付近(850hPa面)の気温は15日09時の12.4℃から16日21時には21.0℃と平年より10℃以上高くなり、非常に暖かい空気が入ってきたことを示しています。
このため、16日の関東地方における最高気温は、群馬県館林で32.2℃、茨城県大子で32.0℃を記録するなど、内陸部を中心に24地点で最高気温が30℃以上となりました。茨城県内でも、大子の他に古河で最高気温30.6℃、笠間で30.5℃を記録するなど、15観測点すべてで最高気温が25℃を超え、その内4地点では最高気温が30℃以上となりました。また、10地点では今年の最高気温となりました。
日立市役所における気温の推移を見ると、4時過ぎに風向が南西に変わるとともに気温は3℃近く上がりました。その後、日の出とともに気温は上がっていき、11時57分には最高気温28.4℃を記録しました。これは、今月14日に記録した最高気温27.2℃を抜いて、今年の最高気温となりました。12時を過ぎると風向が南に変わり、気温は2℃近く下がりました。その後、夕方にかけて気温は26℃前後で推移しました。16時30分過ぎに風向が再び南西に変わると、気温は27℃を超えましたが、日が暮れるとともに気温は徐々に下がっていきました。
日立市内の気温を見ると、すべての地点で最高気温が25℃を超えるとともに今年の最高気温となりました。最も気温が高かったのは十王交流センターの29.5℃、次いで南部支所の29.0℃で、内陸部の西部支所、本山よりも沿岸部の方が気温が高くなりました。なお、十王交流センターと北部消防署では日立市役所と同様に昼前から気温が下がったため、最高気温は午前中に観測しました。
●今年の最高気温(℃)の記録 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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●参考:つくばにおける高層観測の気温(℃)
高さ(気圧) | 13日 09時 |
13日 21時 |
14日 09時 |
14日 21時 |
15日 09時 |
15日 21時 |
16日 09時 |
16日 21時 |
17日 09時 |
5500m(500hPa) | -9.5 | -7.7 | -13.7 | -15.9 | -11.9 | -9.8 | -9.5 | -8.6 | -7.5 |
1500m(850hPa) | 12.0 | 12.2 | 12.7 | 11.1 | 12.4 | 16.2 | 17.9 | 21.0 | 20.8 |
●5月16日の気温と風向の推移(10分値)
●5月16日12時と14時のアメダスによる気温の分布
日立会瀬では、12時よりも14時の気温が低くなった。一方、内陸部では12時よりも14時の方が、気温が30℃以上の地点が多くなった。
●参考:5月16日15時の地上天気図と21時の850hPa面高層天気図
Amagai Daizo