今年の秋は、10月中旬から寒気が南下してくるようになり、気温が平年を下回る日が多くなりました。しかし、天気がぐずつくことが多く、最低気温はあまり下がりませんでした。11月8日に低気圧が日本海を発達しながら北東へ進んだ後、日本付近は一時的に冬型の気圧配置となり、寒気が流れ込んできました。つくばにおける高層観測の結果を見ると、高さ1500m付近(850hPa面)の気温は、8日21時の10.9℃から9日21時には2.7℃まで下がりました。その後、大陸の高気圧は移動性となって10日朝には本州上へ進んできました。このため、10日の朝は晴れて風が弱まり、気温が下がりました。
特に、茨城県から栃木県、群馬県では放射冷却が強まり、今季の最低気温を記録したところが多くなりました。10日の関東地方各地の最低気温は、栃木県土呂部で-4.7℃、群馬県田代で-3.5℃、草津で-2.4℃などでした。茨城県内でも、最低気温が常大子で-0.5℃、陸大宮市上小瀬で0.3℃を記録するなど、茨城県内16観測所の内、日立会瀬と鹿嶋を除く14地点で、最低気温が5℃未満となりました。また、全地点で今季の最低気温となりました。
日立市役所における気温の推移をみると、北西の季節風が収まった9日22時頃から気温が下がり始め、23時過ぎには8℃を下回るようになりました。その後も、10日の朝にかけて気温は徐々に下がっていき、10日06時01分には最低気温5.9℃を記録しました。これは、5日朝に記録した最低気温5.7℃に次いで今季2番目に低い気温です。
市内の他の地点でも同じような気温の変化をし、西部支所と諏訪広場では今季の最低気温を記録しました。特に、山間部の西部支所では気温の下がり方が大きく、最低気温が-0.1℃と今季初めての冬日となりました。西部支所における冬日初日は昨年(2016年)とほぼ同じで、2015年に比べると半月近く早い記録となっています。
●今年の秋に入ってからの最低気温(℃)の記録 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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●2015年と2016年の冬日初日 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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2016年冬日初日
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●参考:つくばにおける高層観測の気温(℃)
高さ(気圧) | 07日 09時 |
07日 21時 |
08日 09時 |
08日 21時 |
09日 09時 |
09日 21時 |
10日 09時 |
10日 21時 |
11日 09時 |
5500m(500hPa) | -20.5 | -14.4 | -13.1 | -15.0 | -20.3 | -23.3 | -18.4 | -17.6 | -16.4 |
1500m(850hPa) | 12.2 | 12.2 | 11.4 | 10.9 | 3.3 | 2.7 | 3.0 | 8.2 | 9.1 |
●11月9日から10日にかけての気温と風速の推移(10分値)
●11月9日から10日にかけての日立市内の気温の推移(10分値)
●参考:11月10日09時の地上天気図と850hPa面高層天気図
Amagai Daizo