23日、日本の南で太平洋高気圧が勢力を強めて東日本から西日本をおおうようになり、南から下層へ暖かい空気が入ってきました。つくばにおける高層観測の結果をみると、850hPa面(高度約1500m)の気温は21日09時の16.2℃から23日09時には20.9℃まで上がり、暖かい空気が流れ込んできたことを示しています。また、22日の夜に気圧の谷が北日本を通過したことから、23日の関東地方では内陸部を中心に弱い北西の風が吹きました。このため、弱いフェーン現象が起き、各地で最高気温が30℃を超えました。関東地方の最高気温は、千葉県茂原で36.0℃、牛久と横芝光で35.9℃などでした。茨城県内でも、土浦で最高気温34.8℃、常総で34.6℃、鹿嶋で34.4℃を記録するなど、16観測所全地点で最高気温が30℃以上となりました。また、普段は気温の上がらない沿岸部の北茨城と高萩でも最高気温が30℃以上となりました。
日立市役所における気温の推移をみると、9時前から南東の風がやや強くなるとともに気温が上がり始め、10時過ぎには気温が30℃を超えました。しかし、その後は12時過ぎにかけて変動を繰り返しながら気温は30℃前後で推移しました。12時30分に風向が南に変わると気温は一気に2℃近く上がり、12時07分には最高気温32.7℃を記録しました。これは、今年になっての最高気温です。その後、14時を過ぎると風向が南東から東北東へと変わっていき、気温は3℃近く下がりました。しかし、夜になると風向が北西に変わったため気温の下がり方が鈍くなり、24時になっても気温は26℃近くありました。
市役所以外の日立市内の気温を見ると、全地点で最高気温が30℃以上となりました。特に、南部支所では14時前にかけて西寄りの風が吹いたため最高気温は33.6℃まで上がり、日立市内で最も気温が高くなりました。また、普段は気温の上がらない北部消防署でも最高気温30.2℃を記録し、沿岸部の5地点では今年の最高気温となりました。
●今年の最高気温(℃)の記録 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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●参考:つくばにおける高層観測の気温(℃)
高さ(気圧) | 20日 09時 |
20日 21時 |
21日 09時 |
21日 21時 |
22日 09時 |
22日 21時 |
23日 09時 |
23日 21時 |
24日 09時 |
5500m(500hPa) | -6.3 | -6.5 | -5.6 | -5.3 | -5.3 | -5.7 | -3.4 | -2.9 | -5.1 |
1500m(850hPa) | 15.4 | 16.7 | 16.2 | 18.1 | 18.9 | 21.7 | 20.9 | 20.5 | 20.4 |
●8月23日の気温と風向の推移(10分値)
●8月23日の日立市内の気温の推移(10分値)
●参考:8月23日12時のアメダスによる気温と風の分布
●参考:8月23日09時の地上天気図と850hPa面高層天気図
Amagai Daizo