25日の午後、日本海へ進んできた移動性高気圧に押される形で、東北地方南部から山陰沖に停滞していた梅雨前線がゆっくりと関東地方へ南下してきました。梅雨前線に沿って西から湿った空気が流れ込み、午前中は北陸から山陰地方に発達した雨雲がかかりました。昼過ぎからは関東地方の西部で雨雲が発生して東へ広がっていきました。夕方には南下してきた梅雨前線の雨雲と一体となり、東北東から西南西へ帯状に発達しました。夜に入ると雨雲はしだいに一つにまとまって東へ進み、夜遅くには茨城県北部を通過して日付の変わる前には東海上へ抜けました。その後、26日の1時過ぎには茨城県中部から群馬県中部にかけて、再び帯状に雨雲が張った吸いました。この雨雲は、26日の朝にかけて関東地方南部までゆっくりと南下しました。
25日の夜は、この雨雲が通過した茨城県北部から栃木県で、局地的に非常に激しい雨が降りました。栃木県太田原では22時21分までの1時間に45.5mmの雨が降り、総降水量は136.5mmになりました。また、茨城県大子では19時01分までの1時間に53.0mmの雨が降り、総降水量は86.5mmになりました。
日立市では、発達した雨雲が近づいてきた21時前から雨が強まり、23時頃にかけて局地的に非常に激しい雨が降りました。西部支所では22時45分までの1時間に68.0mmの雨が降り、総降水量は102.0mmになりました。また、日立市役所でも23時00分までの1時間に23.5mmの雨が降り、総降水量は47.5mmになりました。発達した雨雲は日立市の中部から北部を通過したため、発達した雨雲のかからなかった市の南部では、降水量は少なくなりました。南部支所における総降水量は4.0mmで、西部支所の1/10以下でした。なお、西部支所における最大1時間降水量68.0mmは、1987年の観測開始以来2番目に多い記録でした。
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降水量 |
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日時 |
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日時 | ||
日立市役所 | 47.5 | 23.5 | 25日23時00分 | 7.5 | 25日22時57分 |
十王交流センター | 47.0 | 22.0 | 25日23時43分 | 6.0 | 25日22時58分 |
北部消防署 | 48.0 | 17.0 | 25日23時05分 | 6.0 | 26日00時49分 |
本山 | 83.5 | 52.0 | 25日22時52分 | 16.5 | 25日22時30分 |
西部出張所 | 102.0 | 68.0 | 25日22時45分 | 21.5 | 25日22時03分 |
諏訪広場 | 43.0 | 30.5 | 25日22時55分 | 16.0 | 25日22時41分 |
南部支所 | 5.5 | 4.0 | 25日21時42分 | 1.0 | 25日21時39分 |
日立会瀬 | 40.5 | 26.0 | 25日23時07分 | 12.0 | 25日22時50分 |
水戸(金町) | 27.0 | 21.5 | 26日01時57分 | 7.0 | 26日01時14分 |
※降水量は、25日18時〜26日04時までの合計。
順位 | 降水量 | 年月日 | 時 刻 | 備 考 |
1 | 70.5 | 1998/08/18 | 00時05分 | 停滞前線に流れ込む暖湿流 |
2 | 68.0 | 2017/07/25 | 22時45分 | 南下 | する 梅雨 前線 に 伴 う 雷雨
3 | 61.0 | 2000/07/09 | 20時36分 | 寒気による雷雨 |
4 | 50.5 | 2016/08/17 | 02時09分 | 台風第 ( 関東 の東 を 通過 し 北海道 へ) | 7 号
5 | 50.5 | 1999/10/27 | 21時18分 | 発達した南岸低気圧による雷雨(992hPa) |
※1987年1月1日〜2017年7月26日の統計で、順位は降水量の多い方から
●7月25日から26日の10分間降水量の推移(西部支所と日立市役所)
●7月25日の降水レーダー図と気象衛星赤外画像
●参考:8月22日11時00分の降水レーダー図と11時のアメダスによる降水量の分布
●参考:7月25日21時と23時のアメダスによる降水量と風の分布
●参考:7月25日21時の地上天気図と500hPa面高層天気図
Amagai Daizo