1日から2日にかけて、日本の南で太平洋高気圧が勢力を強めて東日本から西日本をおおうようになりました。これに伴って前線は東北地方南部まで北上し、前線の南側に入った関東地方では晴れるとともに、南西の風に伴って暖かい空気が流れ込みました。つくばにおける高層観測の結果をみると、850hPa面(高度約1500m)の気温は1日09時の15.8℃から2日21時には20.8℃に上がり、暖かい空気が流れ込んできたことを示しています。この暖気の影響で2日の関東地方は気温が上がり、内陸部を中心に多くの地点で最高気温が30℃を超える真夏日となりました。関東地方各地の最高気温は、千葉県茂原で33.8℃、牛久で33.7℃、茨城県常総で33.5℃など、59地点で最高気温が30℃以上となりました。
茨城県内でも、上記の常総の他、大子で最高気温33.0℃、水戸で32.8℃を記録するなど、16観測所のうち北茨城と高萩を除く14地点で最高気温が30℃以上となりました。また、12地点では今年の最高気温となりました。
日立市役所における気温の推移をみると、6時過ぎから急速に気温が上がり始めて9時には気温が28℃を超えました。しかし、その後は13時にかけて変動を繰り返しながら気温は28℃前後で推移しました。13時40分に風向が南西に変わると気温は一気に4℃近く上がり、13時52分には最高気温31.5℃を記録しました。これは、今年になっての最高気温であるとともに、今年初めての真夏日(最高気温30℃以上の日)でした。なお、真夏日初日の記録としては平年(6月29日)よりも3日遅く、昨年(6月18日)よりも14日遅くなっています。15時20分になる風向が東に変わり、気温は5℃近く下がりました。その後、夜にかけて気温は上下に変動しながら徐々に下がっていきました。
市役所以外の日立市内の気温を見ると、山間部にある西部支所で最高気温が30.9℃、南部支所で30.0℃を記録し、いずれも今年初めての真夏日となりました。それ以外の4地点では気温は30℃を超えませんでした。特に、十王交流センターと北部消防署では、日中の気温は25℃〜27℃の横ばいで推しました。また、いずれの地点でも、日立市役所のように風向によって気温が上がることはありませんでした。
●今年の最高気温(℃)の記録 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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●真夏日初日の記録(日立市役所)
年 | 月日 | 最高気温 | 時刻 |
2010 | 06/26 | 30.7 | 10:11 |
2011 | 06/22 | 32.3 | 11:13 |
2012 | 07/06 | 31.1 | 12:21 |
2013 | 07/06 | 32.9 | 14:20 |
2014 | 07/10 | 30.4 | 13:18 |
2015 | 07/12 | 30.2 | 11:52 |
2016 | 06/18 | 30.4 | 11:15 |
2017 | 07/02 | 31.5 | 13:52 |
平年 | 06/29 | - | - |
●参考:つくばにおける高層観測の気温(℃)
高さ(気圧) | 30日 09時 |
30日 21時 |
01日 09時 |
01日 21時 |
02日 09時 |
02日 21時 |
03日 09時 |
5500m(500hPa) | -6.5 | -7.7 | -5.5 | -5.8 | -6.3 | -6.3 | −6.3 |
1500m(850hPa) | 16.7 | 19.5 | 15.8 | 19.9 | 18.4 | 20.8 | 19.2 |
●7月2日の気温と風向の推移(10分値)
●7月2日の日立市内の気温の推移(10分値)
●参考:7月2日15時のアメダスによる気温と風の分布
●参考:7月2日09時の地上天気図と850hPa面高層天気図
Amagai Daizo