10日から12日にかけて、強い寒気を伴った寒冷渦がシベリアからサハリン付近へ進みました。その後、寒冷渦はゆっくりと南下を始め、13日夜から15日夜にかけて北海道の西から東北地方北部を通って三陸沖へ進みました。この寒冷渦の西側を回る形で日本付近へ強い寒気が流れ込んできました。つくばにおける高層観測の結果を見ると、高さ1500m付近(850hPa面)の気温は13日21時の-3.7℃から15日09時には-11.7℃まで下がり、強い寒気が入ってきたことを示しています。
この寒気の影響で、関東地方では13日の夕方から気温が下がっていきました。特に、15日の朝は晴れて風が弱まったこともあって冷え込みが強まりました。15日の関東地方各地の最低気温は、群馬県田代で-12.0℃、栃木県那須高原で9.6℃、大田原で-8.4℃などでした。また、茨城県内のアメダス観測地点における最低気温は、北茨城で-7.0℃、常陸大宮市上小瀬と下館で-6.5℃など、15観測点すべてで氷点下の気温となりました。また、日立会瀬を含む7地点では今季の最低気温となりました。
日立市役所では、強い寒気の影響で14日は朝から積雲が広がり、昼過ぎにはにわか雪が降りました。雪を降らせた雲が東へ抜けた15時ころから気温は下がり始め、西風が弱まった15日0時ころからは一段と気温が下がり、15日06時23分には最低気温-3.1℃を記録しました。これは、1月6日に記録した最低気温-1.5℃を下回り、今季の最低気温となりました。
日立市内の他の地点でも日立市役所と同じような気温の変化を示し、15日の朝は冷え込みが強まりま、全地点で今季の最低気温を記録しました。一方、本山、西部支所及び南部支所では、13日の朝にかけて気温は徐々に下がっていき、今季の最低気温を記録しました。また、西部支所の最低気温-7.3℃と本山の最低気温-7.3℃は、茨城県内のアメダス観測地点で最も気温の低かった北茨城の最低気温-7.0℃よりも低くなりました。
なお、水戸とつくばでは風速の変化に伴う気温の変動がありました。水戸では、15日3時頃に風が弱まり気温が下がりました。このため、最低気温-4.8℃は03時09分に記録しました。つくばでは、14日21時から24時にかけて風が弱まったため、最低気温-5.7℃は14日23時32分に記録しました。
●今季の最低気温(℃)の記録 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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●参考:つくばにおける高層観測の気温(℃)
高さ(気圧) | 12日 09時 |
12日 21時 |
13日 09時 |
13日 21時 |
14日 09時 |
14日 21時 |
15日 09時 |
15日 21時 |
16日 09時 |
5500m(500hPa) | -22.9 | -26.3 | -26.7 | -26.6 | -37.3 | -31.3 | -35.7 | -34.7 | -35.1 |
1500m(850hPa) | -3.2 | -2.7 | -2.7 | -3.7 | -6.5 | -10.5 | -11.7 | -9.9 | -8.3 |
●1月14日から15日にかけての気温の推移(10分値)
●1月14日から15日にかけての風速の推移(10分値)
●1月14日から15日にかけての日立市内の気温の推移(10分値)
●1月15日06時のアメダスによる気温と風の分布
●参考:1月15日09時の地上天気図と500hPa面高層天気図
Amagai Daizo