9日に低気圧が日本海を東へ進んだ後、強い寒気を伴った寒冷渦がオホーツク海をゆっくりと南下してきて、11日には千島近海へ進みました。この寒冷渦の西側を回る形で、10日の夜から日本付近へ寒気が流れ込んできました。つくばにおける高層観測の結果を見ると、高さ1500m付近(850hPa面)の気温は、9日21時の3.3℃から11日09時には-4.5℃まで下がり、強い寒気が流れ込んできたことを示しています。この寒気の影響で、11日の朝は中部地方以北で気温が低くなりました。
関東地方でも、11日の朝は風が弱まったことから放射冷却が強まり、内陸部を中心に気温が低くなりました。各地の最低気温は、群馬県田代で-5.6℃、栃木県真岡と群馬県沼田で-5.5℃などでした。茨城県内では大子で-5.0℃、常陸大宮市上小瀬で-4.8℃を記録するなど、16観測地点の内、鹿嶋を除く15地点で最低気温が0℃未満となりました。また、日立会瀬を含む11地点で今季の最低気温となりました。
日立市役所における気温の推移をみると、10日の22時過ぎから風が弱まるとともに気温が4℃近く下がりました。その後、朝にかけて気温は0℃前後で推移し、07時06分には日最低気温-0.2℃を記録し、今季最も低い気温となりました。また、日立市役所における今季初めての冬日(日最低気温0℃未満の日)となりました。その冬に初めて冬日となった日(冬日初日)の記録を見ると、日立市役所の今年の冬日初日は昨年(2015年)よりも17日早く、一昨年(2014年)よりも5日遅くなって遅くなっています。また、平年の冬日初日(12月14日)と比べると3日早くなっています。
市内の他の地点も、すべて0℃未満の最低気温で今季最も低い気温となりました。また、10日夜から11日朝にかけて、いずれの地点も日立市役所より気温の下がり方が早くなっていました。特に、山間部の本山と西部支所及では10日の20時過ぎには氷点下の気温となりました。なお、西部支所では11日06時50分に最低気温-5.3℃を記録し、日立市内で最も低い気温となりました。これは、茨城県内のアメダス観測地点で最も気温の低かった大子の-5.0℃よりも低い気温でした。
●今年の秋に入ってからの最低気温(℃)の記録 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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●参考:つくばにおける高層観測の気温(℃)
高さ(気圧) | 08日 09時 |
08日 21時 |
09日 09時 |
09日 21時 |
10日 09時 |
10日 21時 |
11日 09時 |
11日 21時 |
12日 09時 |
5500m(500hPa) | -24.2 | -25.3 | -23.3 | -24.5 | -22.1 | -25.9 | -27.7 | -27.7 | -22.1 |
1500m(850hPa) | -1.1 | -0.6 | 1.8 | 3.3 | -1.7 | -1.9 | -4.5 | -5.7 | -2.3 |
●12月10日から11日にかけての気温の推移(10分値)
●12月10日から11日にかけての平均風速の推移(10分値)
●12月27日から28日にかけての気温の推移(日立市内10分値)
●参考:12月11日07時のアメダスによる気温と風の分布
●参考:12月11日09時の地上天気図と500hPa面高層天気図
Amagai Daizo