18日から19日にかけて日本の南海上を真直ぐに北上してきた台風第6号の東側を回る形で、南から暖かく湿った空気が関東地方から四国地方の太平洋側に流れ込みました。湿った空気が山地にぶつかって雨雲が発達し、東海地方から紀伊半島、四国地方にかけて山沿い南斜面で日降水量が500〜800mmの大雨となりました。また、関東地方では南からの湿った風と、北からのやや冷たい風との間に局地的な前線が形成され、茨城県から栃木県、埼玉県、神奈川県にかけて降水量が多くなりました。
日立市では、18日の夜からから弱い雨が降り始め、19日の朝にかけて降ったり止んだりしながら続きました。19日の朝になると南から湿った空気が流れ込み始め、関東地方の所々で雨雲が帯状に発達してきました。これらの雨雲は北へ進み、日立市でも9時過ぎから12時頃にかけて、雷を伴いながら一時的に雨が強く降りました。その後、14時頃から南風と北風の収束に伴う局地的な前線が形成され、茨城県北部から栃木県、埼玉県、神奈川県にかけて帯状に雨雲が発達しました。この雨雲は北東へ進みながら、全体としてゆっくりと北上していきました。
日立市では、この前線に流れ込む発達した雨雲の一部がかかった16時から17時過ぎにかけてと、前線の雨雲の一部がかかった18時から19時過ぎにかけて、1時間に30mmを超える激しい雨が降りました。日立市役所では、15時55分からの1時間に38.5mmの降水量を、また16時12分からの10分間には17.5mmの降水量を記録しました。夜になると南風が関東地方北部まで入るようになり、局地的な前線は解消しました。これに伴って発達した雨雲も北へ抜け、21時以降は強い降ることはありませんでした。
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日降水量 |
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日時 | ||
日立市役所 | 129.0 | 38.5 | 16:55 |
北部消防署 | 137.0 | 34.5 | 17:00 |
本山 | 135.0 | 30.5 | 19:00 |
西部出張所 | 86.0 | 17.0 | 19:00 |
諏訪広場 | 115.0 | 22.5 | 17:00 |
南部支所 | 106.0 | 28.5 | 17:00 |
十王交流センター | 145.0 | 33.5 | 17:00 |
※本山の08時から10時の降水量は欠測。
●参考:7月19日の日立市役所における降水量の推移(10分値)と16時30分の降水レーダー図
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●参考:7月19日17時のアメダスによる降水量と風の分布
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●参考:7月19日15時の地上天気図と09時の850hPa面高層天気図
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※850hPa面高層天気図において、網掛けして緑色に塗った部分は気温と露点温度の差が3℃以下の領域で、大気が湿っていることを表しています。
Amagai Daizo