12月4日、上層の寒気と収束雲によりひょうが降る

 3日の日中、低気圧が本州上を北東へ進みました。一方、上層の気圧の谷は地上低気圧よりも遅れて進んだため、朝鮮半島北部から北陸地方にかけて収束域が形成されました。上層の気圧の谷の東進とともに、この収束域は東へのびて、4日の朝には関東地方北部まで雲域が広がりました。

 上層の気圧の谷は4日の朝には東日本を通過して、この収束域の北側に強い寒気が入ってきたため、東北地方南部から北陸、山陰地方にかけて雨雲が広がりました。日立市でも朝の内は晴れ間が広がっていましたが、8時前から積乱雲が広がってきて、8時過ぎからにわか雨が降り始め、8時35分頃から約5分間ほど氷あられが降りました。また、8時37分頃には市役所のすぐ西に落雷があり、1分間ほど直径約1cmのひょうが降りました。

 この積乱雲は9時過ぎには東へ抜け、いったん晴れ間も広がりました。しかし、別の上層の気圧の谷が日本海に残っていたため、収束雲の位置はほとんど変化せず、日立市では15時過ぎにかけてにわか雨が降ったり止んだりする天気が続きました。また、雷のなることはありませんでしたが、日立市役所では10時20分から25分、11時45分から52分、12時45分から47分にかけて、氷あられが降りました。日本海に残っていた上層の気圧の谷が東へ進むにつれて、関東地方の収束雲は南へ下がっていき、日立市では15時過ぎから晴れてきました。上層の気圧の谷が東へ抜けた5日の朝には、収束雲は関東地方の東へ離れました。

 4日の日立市内及び水戸とつくばの気温の変化を見ると、日立市役所では朝の8時19分に日最高気温8.7℃を記録した後、北から入ってきた寒気の影響で気温は下がっていきました。南部支所では日立市役所より1時間遅れて、水戸ではさらに3時間ほど遅れて同じように気温が下がっていきました。一方、茨城県の南部にあるつくばでは1日晴れて、日中の最高気温も13.6℃まで上がりました。4日10時のアメダスによる風の分布を見ると、茨城県北部から栃木県下にかけては北東の風が吹いていますが、それより南に地域では北西から西の風が吹いて収束線が形成されており、気象衛星の可視画像でもこの収束線の北側に雲が広がっている様子が見られます。

 なお、気温の推移を見ると、南部支所、水戸及びつくばでは4日の夜に入って一段と気温が下がっていますが、日立市役所では20時13分に日最低気温1.2℃を記録した後気温が上がっていき、24時には4.5℃まで上がりました。これは、上層の気圧の谷が東へ抜けた後北西の風が強まり、西側に山地のある地形の影響で気温が上昇したものです。

 ●参考:日立市役所屋上にひょうが積もった様子及び12月4日の気温の変化

 ●参考:12月04日10時のアメダスによる風の分布及び12時の気象衛星可視画像

 ●参考:気象衛星から見た収束雲の変化(昼間は可視画像、夜間は赤外画像)

 ●参考:12月04日09時の地上天気図と500hPa面高層天気図

Amagai Daizo


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作成日:2007/12/06
日立市役所 天気相談所