10月27日、上層の気圧の谷と台風第20号の影響でまとまった雨が降る

 27日、上層の気圧の谷が本州付近を東へ進むとともに、台風第20号が関東地方の南を北東へ進みました。台風は規模が小さく勢力も弱かったため、日立市では台風の直接の影響あはありませんでしたが、気圧の谷の前面に向かって南から湿った空気が入ったため、27日の明け方から夜にかけてまとまった雨が降りました。日立市では27日の降水量が97.0mmになり、前日の降水量28.5mmに続いて、10月1日から2日にかけて降った降水量17.5mmの雨以来のまとまった雨量になりました。

 今月は本州付近を低気圧が通過することが少なく、25日までの降水量は36.0mmと平年(159.2mm)よりかなり少なくなっていましたが、26日、27日とまとまった雨が降り、月降水量は161.5mmとほぼ平年並みになりました。

 日立市でやや強い雨の降った27日14時の降水量分布をアメダスで見てみると、房総半島を除く関東地方の大部分の地域では降水量が10mm以下となっています。しかし、茨城県の日立市から水戸市にかけては20mm近いやや強い雨が降っています。この日のつくばにおける高層観測の結果を見ると、下層では北東の風が吹いていますが中層では南から南南東の風が吹いており、南からの湿った空気が茨城県北部の山地に当たり、その南側で雨量が多くなったと考えられます。この結果、市内の降水量を比べてみると、いつもとは逆に市の南端にある南部支所で日降水量が116.5mmと最も多くなりました。

 なお、台風が東経140度線を超えた16時頃から北の高気圧から台風に向かって吹き込む北東の風がやや強まりましたが、最大瞬間風速は17時27分に記録した17.6m/sで、20m/sを超えることはありませんでした。

 ●27日の市内の降水量(mm)

観測地点
日降水量

最大1時間降水量

降水量
日時
日立市役所 97.0 15.5 27日14時10分
北部消防署 107.5 21.5 27日14時00分
本山 92.0 11.5 27日14時00分
西部出張所 70.5 10.0 27日18時00分
諏訪広場 94.0 14.0 27日14時00分
南部支所 116.5 22.5 27日13時00分

 ●27日の南部支所における降水量と日立市役所における風速の推移

 ●アメダスによる降水量分布(27日14時)とつくばにおける高層観測結果(27日15時)

 ●台風第4号の経路と27日15時の地上天気図

Amagai Daizo


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作成日:2007/10/29
日立市役所 天気相談所