20日の夜に、沿海州を東進する寒冷渦の南を回る形で、上層の気圧の谷が東北地方を通過しました。気圧の谷が通過した後、上層から下層にかけて冷たい空気が入ってきたため、21日の0時過ぎから急速に気温が下がり始め、21日朝の日立市役所における最低気温はで9.1℃まで下がり、今年の秋になって初めて10℃を下回りました。なお、22日朝の最低気温は10.7℃(0時10分)で、日の出直後ではなく0時過ぎに出ています。
20日から21日かけて、沿海州を寒気を伴った上層の低気圧(寒冷渦)がゆっくりと東へ進みました。20日の夜には、この南を回って上層の気圧の谷が東北地方を通過しました。この気圧の谷の後面には寒気が入ったため、気象衛星の赤外画像で見ると前面の暖気との境には弱い雨雲が、後面の日本海には寒気による筋状雲の発生が見られました。
日立市でも、20日の21時から22時過ぎにかけて弱い雨が降った後一時的に北西の風が強まり、21日の0時43分には最大瞬間風速15.2m/sの西北西の風を観測しました。気圧の谷が通過した後、風は収まり晴れてきましたが、それとともに急速に気温が下がり、日の出直後の6時7分には最低気温9.1℃を記録しました。今回は、上層へ入った寒気により気温が下がったため、水戸(20日の最低気温9.5℃)よりも日立の方がわずかに気温が低くなりました。
●今年の秋に入っての最低気温(℃)の記録 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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※今年の8月1日以降、10月21日現在の最低気温の低い方からの記録。
●参考:10月20日から21日にかけての気温の推移と21日6時のアメダス気温分布
●参考:10月20日21時の地上天気図と気象衛星赤外画像及び21日09時の850hPaと500hPa面高層天気図
Amagai Daizo