15日に引き続き、勢力の強い上層の高気圧におおわれ、晴れて気温が上がりました。下層に前日からの暖かい空気が残っていたことと、高気圧の中心が西へ移動し、関東地方の内陸部では北西の風が吹いてフェーン現象が起きたため、内陸部を中心に気温が35℃を超え、一部の地域では気温が40℃を超えた所もありました。気象庁の観測によると、14時20分に岐阜県多治見市で、14時42分に埼玉県熊谷市で日最高気温40.9℃を記録し、1933年7月25日に山形県山形市で記録した40.8℃の過去最高記録を74年ぶりに更新しました。
日立市でも前日からの暑さが残り、朝の最低気温は26.9℃までしか下がりませんでした。そして、日の出とともに気温が上がり始め、7時過ぎには気温が30℃を超えました。その後も、前日と同じように気温が上がっていきましたが、11時過ぎに急に気温が上昇し、11時40分に日最高気温34.5℃を記録しました。これは、4日と15日の最高気温34.2℃を上回り、今年に入っての最高気温となりました。また、日立市内の南部支所と本山でも前日の最高気温を上回り、今年の最高気温を記録しました。
下図の1時間毎との気温変化のグラフでは、日立市役所における気温の上昇ははっきりしませんが、本山、南部支所及び水戸では昼前にかけて気温が上昇した後、急に気温が下がっている様子が表れています。日立市内の観測では分かりませんが、水戸の観測結果では、10時前から南西の風が吹き始め、12時48分に日最高気温37.0℃を記録した後、13時過ぎには東南東の風に変わって気温が下がっています。このことから、関東地方の内陸部で北西の風によるフェーン現象により暖められた空気が、南西の風によって茨城県の北部に入り、気温が上昇したことが考えられます。なお、日立市役所の10分毎との気温変化のグラフでは、11時10分から40分にかけて、一時的に気温が上昇している様子を見ることができます。
●今年の日最高気温(℃)の記録(高い方から:8月16日現在)
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●参考:8月15日から16日にかけての1時間毎の気温の変化と16日の日立市役所における10分間毎の気温の変化
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●参考:8月16日13時のアメダスによる気温と風の分布
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500hPa面の高層天気図では、上層の高気圧の中心は西日本へ移動していますが、引き続き中心は5940mの閉じた等高度線で表され、高気圧の勢力が強いことを示しています。
●参考:8月16日09時の500hPa面と850hPa面の高層天気図
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Amagai Daizo