気象庁は14日、関東から九州までの各地方で「春一番」が吹いたと発表

 気象庁は14日、関東から九州までの各地方で「春一番」が吹いたと発表しました。

 同庁によると、急速に発達した日本海側の低気圧に向かって、暖かい南よりの風が吹き込んだためで、各地で暴風や雨を伴う荒れた空模様となった。19時までの最大瞬間風速は、東京都大手町で22.0m/s、千葉市で30.2m/s、横浜市で28.3m/sに達し、気温も上昇した。

 しかし、関東地方の大部分の地域では、地表付近に冷たい空気が滞留していた影響で、南からの暖かい空気は上層を吹き抜けていったため、強い南西の風は吹かず、気温も10℃まで上がりませんでした。日立市は海に面しているため、昼過ぎから南西の風が入りましたが、強く吹くことはありませんでした。日立市の14日の最大風速は、寒冷前線通過時の20時15分に観測した6.6m/sで、風向は西北西でした。

 なお、関東地方の平野部で地表付近に寒気が滞留し、気温が上がらなかった例として、2003年1月3日2000年11月21日の現象を観測日誌に掲載しています。

 ●2月14日の観測記録

関東地方南部の観測記録
地点 最大風速
(m/s)
同風向 最大瞬間
風速(m/s)
同風向 最高気温
(℃)
東京 7.8 南西 22.0 西南西 17.3
横浜 13.6 南西 28.3 南西 17.4
千葉 17.6 南西 30.2 南西 18.8
茨城県内の観測記録
地点 最大風速
(m/s)
同風向 最大瞬間
風速(m/s)
同風向 最高気温
(℃)
日立市 6.6 西北西 12.5 西北西 15.2
水戸 3.4 北西 9.6 南南西 15.2

 ●2月14日18時の気温と風速の分布(アメダス)


※春一番について

 冬も終わり頃になると冬型の気圧配置は長続きせず、東シナ海から日本列島の南岸を低気圧が通るようになります。この低気圧は西日本から東日本の各地に雨を降らせ、関東や内陸部では雪になることもあります。更に季節が進むと、低気圧の進路はもっと北に移り、日本海を北東に進むコースをとるようになります。そして、この低気圧に向かって温かい南風が吹き込むような気圧配置になります。このような冬から春へ移り変わる時季に、初めて吹く南よりの強い風を、気象庁では、「春一番」として発表しています。

 「春一番」は、この現象が発生する、関東甲信・北陸地方から九州地方で発表されており、発表の目安は各地で少しずつ違いますが、関東地方では次のとおりです。

1 発表する期間は、立春から春分までのあいだ。
2 日本海に低気圧があること。
3 強い南寄りの風(風向は東南東から西南西まで、平均風速8m/s以上)が吹く。
4 気温が上昇すること。

Amagai Daizo


【ホームページへ】

作成日:2007/02/20
日立市役所 天気相談所