◇上旬から中旬にかけて暑い日が続く
7月31日に上層の寒冷渦が東へ抜けた後、日本の東で上層の高気圧が強まり、本州付近をおおうようになりました。このため、関東地方では晴れて暑い日が続くようになりました。中旬に入ると、高気圧の勢力が強まるとともに中心が西へ移動し、本州の真上に位置するようになりました。このため、下降気流の影響で下層に暖かい空気が滞留するようになり、さらに気温が上がりました。
下旬に入ると北から寒気が南下してくるようになり、時々気温が低くなる時がありました。さらに、28日以降は関東地方の南に前線が停滞し、オホーツク海高気圧から北東の風とともに冷たい空気が入るようになり、気温が低くなりました。しかし、上旬から中旬にかけて気温の高い状態が続いたため、月平気気温は26.3℃と平年より1.5℃高くなりました。これは、1953年の観測開始以来、5番目に高い値でした。また、晴れる日が多かったため、月日照時間は231.8時間と平年の128%になりました。一方、月降水量は101.0mmと平年の68%にしかなりませんでした。
8月の気象観測値 観測要素 観測値 平年値 月平均気温(℃) 26.3 24.8 月降水量(mm) 101.0 148.2 月日照時間(時間) 231.8 181.3
気温の旬変化(℃) 旬 平均気温 旬平年値 上旬 27.3 25.0 中旬 27.0 24.9 下旬 24.8 24.4
今年の8月は、全国的には日最高気温が35℃を超える日が多く、記録的な高温になったところが多くなりました。しかし、日立市役所では最高気温が16日の34.5℃までしか上がらず、日最高気温が35℃を超えた日はありませんでした。今年の8月は、本州付近に上層の高気圧の中心が位置したため、日立市では南西の風が吹いて気温が上がるフェーン現象が起こらず、1996年8月15日に記録した日最高気温38.5℃のように、記録的な猛暑になることはありませんでした。しかし、7月は平年より気温が低い日が続いたのに対して、8月に入って急に平年より気温の高い日が続くようになったため、より暑さを感じた8月でした。
しかし、晴れる日が多かったため、日最高気温が30℃を超えた日(真夏日)は19日と平年より8日ほど多くなりました。また、下層が暖かい空気でおおわれたため、夜になっても気温が下がらず、日最低気温が25℃以上(熱帯夜)になった日が6日ありました。特に、13日から16日にかけては4日連続して熱帯夜となり、寝苦しい日が続きました。日立市は海に面しているため、南西の風によるフェーン現象が起こらなければ熱帯夜になることはほとんどなく、連続して4日間も熱帯夜になったこのは珍しいことです。なお、日立市役所でこれまでに熱帯夜が4日以上連続したのは、1971年8月1日〜4日、1973年8月1日〜4日と15日〜19日、1994年8月7日〜15日、1999年8月2日〜8日及び2007年8月13日〜16日の6回です。
●日立市役所における8月の気温の記録(1953年〜2007年)
|
|
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
※順位は、数値の大きい方から
●参考:6月から8月にかけての気温の推移(日立市役所:平年値との比較)

日立市役所では日最高気温が35℃を超える日はありませんでしたが、市内の南部支所では3日、本山では1日超えた日がありました。特に、16日は南部支所で日最高気温が37.8℃まで上がりました。この日は、本州付近をおおう高気圧の中心が西日本の真上に位置し、全国的に暑くなりました。特に、関東地方の内陸部では北西の風が吹いてフェーン現象が起き、埼玉県熊谷市では日最高気温40.9℃を記録しました。この熱い空気が南西の風によって茨城県の北部にも入ったため、日立市では南部ほど気温が上がったと考えられます。また、このときの水戸の日最高気温は37.0℃で、これは水戸における今年の最高気温となっています。
●今年の市内の日最高気温(℃)の記録(高い方から:8月31日現在)
|
|
|
●参考:高層天気図の比較(7月31日、8月2日、8月16日、8月30日)
|
|
|
|
|
|
|
|
※高層天気図において、実線は等高度線を、点線は等温線を表しています(上の850Pa面天気図では、15℃の等温線を青の実線で塗りつぶしてあります)。また、観測地点における上段の数値は、その地点の500hPaまたは850hPaの高さにおける気温を、下段の数値は、同じ高さにおける気温と露点温度の差を表しています。850hPa高層天気図における網掛けの部分は、気温と露点温度の差が3℃以下(空気が湿っていることを表す)の領域を表しています。
作成日 2007/08/13
名前 日立市天気相談所