◇大気の状態が不安定な日の多かった8月
今年の8月は、太平洋高気圧におおわれて、気温の高い日が多くなりました。下旬には、本州南岸に前線が停滞し、曇りや雨の日が多くなるとともに、北日本を通過した高気圧から北東の風に伴い冷たい空気が入る日があり、気温が下がりました。このため、月平均気温は25.6℃と、平年より0.8℃高くなりました。なお、南西の風が吹いて気温が極端に高くなることがなかったため、日最高気温が35℃を超えた日は、1日もありませんでした。また、日照時間は187.2時間と、ほぼ平年並になりました。
一方、上層の寒気や暖かく湿った空気の影響で大気の状態が不安定になり、一時的に強い雨の降ることがあったため、月降水量は253.0mmと、平年の171%になりました。
8月の気象観測値観測要素 観測値 平年値 月平均気温(℃) 25.6 24.8 月降水量(mm) 253.0 148.2 月日照時間(時間) 187.2 181.3
8月の気温の日数 項目 2005年 平年値 日最高気温35℃以上 0 0.3 日最高気温30℃以上 14 10.6 日最高気温25℃以上 31 26.2 日最低気温25℃以上 1 1.6 ※平年値は、1971年から2000年の平均
今月は、中国大陸や南海上から入ってくる湿った空気の流れに沿って帯状に雨雲が発達し、局地的に、短い時間に強い雨の降るときが多くありました。日立市では、10日の昼前、23日の昼過ぎ及び25日の夜に、十分間降水量が8mmを超える強い雨が降りました。
9日から10日にかけて、台風第9号を起源とする暖かく湿った空気の塊が、上層の大気の流れに沿って、中国大陸から朝鮮半島の北を回り、日本海から南東へ進みました。この暖湿気は発達した雨雲を伴い、10日朝には新潟県へかかり、昼前には茨城県を通過して、関東地方の東海上へ抜けました。このため、日立市役所では、一時的に雷を伴った激しい雨が降り、10日10時12分からの10分間に9.0mmの降水量を記録しました。雨雲が、比較的速い速度で南東へ進んだため、総降水量は多くなりませんでした。
23日は、寒冷前線が本州上を南下し、上層に寒気が入りました。寒冷前線に伴う雨雲は、関東地方に入って弱まりましたが、南からの湿った空気の影響で、昼前から茨城県の南部から中部にかけて、帯状に雨雲が発達しました。その後、昼過ぎには茨城県北部でも帯状に雨雲が発達し、ゆっくりと東へ進みました。このため、日立市役所では、一時的に雷を伴った激しい雨が降り、23日12時54分からの10分間に8.5mmの降水量を記録しました。雨雲の発生地点が移動せず、雨雲自体の移動速度も比較的遅かったため、総降水量がやや多くなりました。この雨の影響で、日立市では道路の冠水や床下浸水の被害が出ました。
25日は、台風第11号が東海地方の南を北東へ進んでいました。台風に伴う、南からの湿った空気と北側の冷たい空気がぶつかり、17時頃から茨城県の海岸線沿いに、帯状に雨雲が発達しました。この雨雲は北北西へ進み、20時過ぎには福島県抜けました。このため、日立市役所では、一時的に激しい雨が降り、25日19時54分からの10分間に10.5mmの降水量を記録しました。雨雲の伸びている方向と移動方向が同じであったため、同じ場所で雨が降り続き、総降水量がやや多くなりました。この雨の影響で、日立市では市道脇の土手崩れや床下浸水の被害が出ました。
この他にも、8日にはつくばで、12日には土浦で、14日には大子で1時間最大降水量が50mmを超える激しい雨が降り、大気の状態の不安定な日が多くありました。また、雨雲が帯状に発達することが多かっため、場所によって降水量に大きな違いの出るときがありました。10日の場合は、雨雲の広がる方向と移動方向が直角であったため、場所による降水量の違いは、あまりありませんでした。しかし、23日と25日の場合は、雨雲の広がる方向と移動方向が同じであったため、同じ場所で雨が降り続き、降水量に大きな違いが出ました。特に、23日は、日立市の海岸線沿いに雨量が多くなりましたが、市の西部ではほとんど雨は降りませんでした。
| 月日 | 総降水量 | 最大1時間降水量 | 最大十分間降水量 | ||
| 降水量 | 時刻 | 降水量 | 時刻 | ||
| 8月10日 | 17.0 | 13.0 | 10:04〜11:04 | 9.0 | 10:12〜10:22 |
| 8月23日 | 41.5 | 30.5 | 12:41〜13:41 | 8.5 | 12:54〜13:04 |
| 8月25日 | 67.5 | 30.5 | 19:04〜20:04 | 10.5 | 19:54〜20:04 |
●強い雨が降ったときの降水量の分布
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※日立市の降水量測定システム、国土交通省の河川情報システム、気象庁のアメダス観測システムのデータから作成。
●8月10日の降水量レーダー図
発達した雨雲が、上層の大気の流れに沿って(下の気象衛星水蒸気画像を参照)、新潟県から福島県南部、茨城県北部を通り、東海上へ進みました。
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●8月23日の降水量レーダー図
12時前から、茨城県の中部と南部で、帯状の雨雲(AとB)が発生し、発達をする。12時30分には、茨城県の北部で、急速に雨雲(C)が発達を始める。その後、AとBの雨雲は東北東へ進んで弱まるが、Cの雨雲はゆっくりと南下しながら南西方向へ広がり、さらに発達する。15時には、Cの雨雲も東へ進み、しだいに弱まりました。なお、Cの雨雲は全体として南へ下がりましたが、個々の雨雲は東北東へ進んでいて、同じ場所に強い雨を降らせました。
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●8月25日の降水量レーダー図
17時頃から、茨城県の海岸線沿いに雨雲が発達を始め、19時には帯状に発達した雨雲が形成される。この雨雲は、北北西へ進み、茨城県北部の山間部にあたり、さらに発達しました。雨雲は、20時過ぎには福島県へ進み、茨城県北部の強い雨は収まりました。雨雲の伸びる方向と移動方向が一致していたため、茨城県北部では降水量が多くなりました。。
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●参考:台風第11号の経路図と8月25日20時の降水レーダー図
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●参考:強い雨が降ったときの地上天気図と気象衛星水蒸気画像
| 2005年08月10日09時の地上天気図 | 2005年08月10日09時の気象衛星水蒸気画像 |
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| 2005年08月23日09時の地上天気図 | 2005年08月23日14時の気象衛星水蒸気画像 |
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| 2005年08月25日09時の850hPa高層天気図 | 2005年08月25日20時の気象衛星水蒸気画像 |
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作成日 2005/09/15
訂補日 2010/10/22
名前 日立市天気相談所