Copyright Yoshihiro IDE  LastUpdate 2001.Sep.24

ケアマネージャーに対するアンケート調査結果

 茨城県の県北ケアマネージャ研究会と日立市、十王町、高萩市、北茨城市の介護保険担当課では、県北臨海地域のケアマネージャー84名に対して、アンケート調査を行いました。
 この調査の目的は、以下の3点です。
  1. ケアマネージャー業務の実態、問題点を把握して、今後適正なケアプラン作成を支援していく上での参考とする。
  2. ケアマネージャーから見た利用者のサービス利用状況を把握し、今後のサービス利用に役立てる。
  3. 第2次介護保険事業計画を策定する上での参考とする。
 平成13年7月2日から7月15日までの約2週間アンケート調査を行い、85.7%(72名)の回答を得ました。
 以下、調査の結果を要約して報告します。
 このアンケートからは、介護保険の制度の改善に向けて、「病院への移送サービス」や「配食サービス」を導入すべきとの意見が多く寄せられました。また、利用者本位のケアプランを作成するためには、「ホームヘルパーの介護報酬を改善する必要がある」との意見が一番多く出されました。

あなたは利用者から、サービス事業者への苦情・不満を聞いたことがありますか
    苦情を聞いたことがある 52人 72%
    特にない 19人 26%
    NA 1人 1%
ヘルパーについて
    ・担当者によって応対に差がある。
    ・記録内容と、実際のサービス内容が違う。
    ・専門職のはずだが、家族介護との差がない。
    ・毎回担当者が変わるので、受けもち制にして欲しい。
    ・態度が横柄
    ・通院介助時に眠る人がいる
    ・プライベートなことにまで口を出してくる。
    ・手を掛けすぎて、自立支援にならない。
デイサービスについて
    ・送迎についての不満
    ・歌はあまり好きではないのに、毎日カラオケばかりなので嫌だ。
    ・何もすることがない。
    ・おむつを交換してもらえなかった。
ショートステイについて
    ・洗濯物が戻ってこない。
    ・褥瘡ができた。
    ・おむつかぶれができた。
    ・ちょっと具合が悪いとすぐに連絡がはいる。
    ・介護職員の対応について
    ・おむつを交換してもらえなかった。
共通事項
    ・利用料についての説明がない。
    ・スタッフの言動が心外
    ・ゆっくり話しを聴いてもらえない。
    ・看護、介護のレベルが低い。
    ・事故があったときの家族への説明が遅い。
    ・電話での連絡がなかなかできない。
    ・依頼した作業の拒否があった。
    ・ケげラン上の時間と実際のサービスの時間が違う。
その他
    ・サービスの利用ができなくなるので、苦情を言ってくる人は少ないのでは。
法定外サービスにはどのようなサービスがあった良いと思いますか
    病院への移送サービス 58人
    配食サービス 40人
    介護用品支給の支援 19人
    指定外福祉用具の貸出・支給 15人
    通所サービスの時間延長 14人
居宅サービスの利用額の割合が低い人はいますか
    5割以下の人がいる 59件 82%
    5割以下の人はいない 3件 4%
    NA 10件 14%

    サービス利用額が低い理由
    家族が今までのサービスで十分といっている 43件
    利用料負担を考慮して 30件
    ケアマネ・家族とも現在のサービスで十分 28件
    利用料負担が出来ない 18件
    居宅サービスの供給量不足 10件
    今まで通りのサービスを継続 10件
    短期入所に備えて 4件
    その他 2件

利用者本位のケアプランを作成するために改善してほしいこと

    介護保険制度について 要介護認定 26人
    支給限度額 22人
    ショートステイの限度日数 20人
    制度の複雑さ 32人
    その他  
    介護報酬について 居宅介護報酬の改善 52人
    その他 1人
    ケアマネージャーの業務に関して 事務の軽減 38人
    ケアマネの育成・養成 17人
    研修の充実 21人
    その他 1人
    サービスの内容について 訪問介護 15人
    通所介護 16人
    ショートステイ 5人
    福祉用具 5人
    サービス全般 12人
    サービスの基盤整備   7人
    利用料   7人
    その他   6人
「8その他」の自由記載
限度額・報酬に関すること
    ・痴呆やパーキンソン病などの利用者の支給限度額が低い。
    ・介護度による支給限度額の区分が細かすぎる。
    ・訪問介護の内容による報酬の区分は不要。
    ・限度額を介護度により定めなくても良いのでは(上限を一律、必要な人は必要なので)
    ・ケアプランは介護度に関わらず、行う事務、アセスメント量は同じなので報酬も一律でよいのでは。
    ・訪問着護は医療保険内でと希望する。現状では、訪問看護の質の低下につながると思う。
    ・訪問予定日の急なキャンセルなど、報酬面での改善を希望する。
    ・移動量を考慮して欲しい。
    ・複合家事は1.5時間以上でないと単位が取れない。実際には自立支援に向けて利用者のペースにあわせて一緒に家事を手伝い、できない部分だけ手助けするように1時間からの単位を設けてもらいたい。
サービスについて
    ・同じ時間帯に数種類のサービスが受けられると良い。
    ・訪問介護サービスの不足、質の低下を感じる。
    ・サービス事業者の意識改革、自覚の必要性。
    ・供給量が不充分であるため、競争原理が働かず、サービスの質の向上につながらない。
    ・サービス利用の事務手続きが簡単になるともっとサービスの内容が充実するのでは。
    ・適所サービスなど希望があっても一杯で入れない。
    ・痴呆の重症な人はサービスを受けられないことがある。
    ・家事援助の内容が複雑で利用者の理解が得られにくい。
介護認定について
    ・要介護度を6段階にわけて、6ケ月ごとに見なおす必要があるのか。
    ・申請から認定まで時間がかかりすぎるので、比較的状態のいい方はサービス利用に不安がある。
    ケアプランの作成・ケースとの関わりについて
    ・介護者、本人に精神的問題がある場合、医師の指示を無視したり、拒否したり自己中心の援助を求めてくる場合の調整が大変。相手を納得させられなかったり、必要な援助に結びつかない場合もある。訪問回数が2〜3回/週、担当者会議1回/月となると、ケアマネの精神的負担が大きく、他のケース対応が困難になってしまう。
    ・要介護度が低いとプランをたてる上で苦労が多い。
    ・どこまでケアマネに責任を持たせれば良いのか、それほど報酬があるとは思えない。
その他
    ・何が公平で平等かわからなくなる。
    ・利用者の声がもっと反映されるよう、サービス提供者や事業者の質の向上がはかれるような体制づくり。
    ・ヘルパー減額について、お金がないのに利用できない人、逆にお金があるのに利用できる人がいるのは不思議。


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